自宅での看取り・家族支援

看取り・家族支援

繊細なお話だからこそ、
きちんとお伝えしたい

訪問診療に長く携わる中で、最期の時をどのように迎えるか、ご本人やご家族と一緒に考える機会がたくさんあります。
現在の病状だけでなく、これまでの生き方やご家族の想いなど、総合的な視点を考え、ご本人が望むことをどの程度実現できるのか、具体的にお伝えすることは、双方が納得して進むためにも重要だと考えています。
最期のことの取り扱いはとても繊細な話であり、私たちもお伝えするタイミングやご関係などを考慮しお伝えしています。
大切なことは、患者さんご本人が何を望むかという点を忘れないことだと思います。

その不安をできるだけ、
減らしていけるように

限られた時間がわかったとき、絶望感、無気力感、またはありのままを受け入れる覚悟など、人それぞれ異なる感情が湧き上がります。それはご本人もご家族も同じです。今まで経験したことのない新しい感情に戸惑う瞬間でもあります。
ご家族が安心して見送ることができるように、どのような体調や気持ちの変化が起こるのか等を丁寧にお伝えし、不安をできる限り軽減できるよう事前説明はもちろんのこと、その時々の状況をお伝えし安心いただけるよう努めてまいります。

事前説明について

お看取りの際には、どれほど準備をしていても予期せぬことが起こる可能性があるため、ご本人やご家族の状況や認識に細やかに配慮し、慎重にタイミングなども考慮しながらご案内しております。情報不足は家族間の認識の違いや感情の対立を引き起こすこともあるため、事前にご本人の意思を確認・共有できるよう私たちもお声掛けさせていただきます。延命治療や終末期の選択については焦らず家族で話し合う機会と捉え、その時々に応じた柔軟な対応を心がけています。適宜、適切な対応ができるよう医療・ケアチームにより情報共有を行います。

  • 訪問診療開始前のご説明
  • 現状の病状の把握
  • 今後予測される病状と対応方法について
  • もしもの時や緊急対応について・意思の確認
  • 臨終期や臨死期の過ごし方
  • 周りの人や家族ができること
  • 旅立ちの前にできること、ご本人の変化
  • お別れの日の対応
  • お別れ後の対応
訪問診療部と医療・ケアチーム多職種が連携

穏やかな旅たちに向けて
私たちができること

診療の開始から最期の日まで、どのような流れでサポートをするのか等、全体像がわかる資料を事前にご案内しております。
初めての訪問診療、お看取りは、どんなに事前に理解していても、いざその時を迎えると、多くの方が混乱し、不安を感じるものです。
ご本人にしかわからない身体の変化など、医療の視点から分かりやすくお伝えいたしますので、わからないことがあれば、遠慮なくお聞きください。医療を提供する側としてご本人が望む過ごし方、最期を迎えられる支援をすることが私たちの役目であると考えています。
以下に、訪問診療に関する各資料の概要を掲載します。

看取り前の心得

もしもの時のために

訪問診療開始~病状が変化する前の「もしもの時」のためにできることをまとめています。

  • 訪問診療体制(24時間365日の対応)
  • 救急車を呼ぶとどうなるのか
  • もしも入院が必要になったら
  • 本人の意思を家族で一緒に話そう
    -過ごしたい場所・過ごし方・治療やケアの希望など
    -意思表示ができなくなった時の本人の意思
最期の旅立ちの日を迎える前に

旅立ちの日の前に

最期の旅立ちの日を迎える前に残された時間の過ごし方や、ご本人が感じる体調の変化などをまとめています。

  • 残された時間の過ごし方・覚悟
  • 精神面・身体の変化・病状変化の予測について
    -3ヶ月~1ヶ月の兆候
    -2週間〜1週間前の兆候
    -数日から数時間前の兆候
  • 家族や親族で話し合うこと・準備のススメ
  • 臨終期に配慮するポイント

お別れ日を迎えたら

お看取りの立会人ができることや心構え、医療機関との連絡方法、いざというときに落ち着いて対応ができるよう大切なことをまとめています。

  • お別れの身体のサイン
  • 息を引き取った時の立会人の対応
  • 救急車を呼ばず、主治医へ連絡を
  • 医療機関への連絡~対応体制
  • 亡くなったあとも家族の大切な時間であること
  • お別れのあとにできること