最近、診察室でしばしば質問があるので、こちらに書いておきますね。
「最近、テレビで見たんですが、帯状疱疹を予防するワクチンがあるんですか?」「どうも2種類あるみたいなんですが、どう違うのですか?」「高いと聞いたんですが」などなど。
生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります
生ワクチンは以前からある水痘ワクチン(いわゆる水ぼうそうのワクチン)です。こちらは0.5mlを1回皮下注射することとなります。
もう一つの不活化ワクチンは乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンで、水ぼうそうには使わず、帯状疱疹専用となります。こちらは0.5mlを2ヶ月以上あけて2回筋肉注射することとなります。
2種類のワクチンの効果の違いは?
水痘生ワクチンは帯状疱疹発症の予防効果は50歳代で約70%、年齢が上がるにつれて効果が落ちて70歳以上だと40%以下となります。一方で不活化ワクチンの場合はこれまでの成績では50歳以上で97.2%、70歳以上に限っても89.2%の帯状疱疹発症予防効果が認められています。
また、帯状疱疹にかかると、その後に神経痛が残ることがあります。これを帯状疱疹後神経痛と呼びますが、ワクチンはこの神経痛も抑えることも期待できます。生ワクチンでは予防効果67%、不活化ワクチンで70歳以上でも88.8%という成績が報告されています。
2種類のワクチンの副反応の違いは?
いずれも他のワクチンと同様に注射した部位の発赤、腫脹などはしばしば見られます。
不活化ワクチンは筋肉注射ということもあり、注射部位の周囲の筋肉痛も認められます。新型コロナワクチンの時のような倦怠感も見られやすいです。ちなみに染谷も不活化ワクチンを打ちましたが、個人的には新型コロナワクチンよりも筋肉痛、倦怠感ともに強く出ました。そのため、外来では「痛いですよ、筋肉痛。僕は寝返りも当日は打てませんでした!」と話した上で、ご予約いただいております。
2種類のワクチンの値段の違いは?
こちらも大きく違います。当院での値段について書かせていただきます。
・生ワクチン:7000円(税込7700円)これを1回です。
・不活化ワクチン:20000円(税込22000円)これを2回なので、合計40000円(税込44000円)となります。
ではどちらを打ったほうがいいのか?
ま、コストもかかることなので、最終的には個々に違うということになるのですが、不活化ワクチンのほうが高価ではありますが、帯状疱疹の発症予防効果、帯状疱疹後神経痛の発症予防効果ともに高いです。
特に年齢が上がってくるとその効果に差が出てくるので70歳以上で、帯状疱疹を予防したい方には不活化ワクチンがおすすめです。一方50歳代の方は、まずは生ワクチンを打っておいて、10年後くらいに不活化ワクチンを検討するというのもありかもしれませんね。
いずれのワクチンも50歳以上の方が対象となります。
当院では、どちらのワクチンも予約を受け付けておりますので、ご希望の方はご相談いただければと思います。