先週、肝臓学会に行ってきました。
そこでは、自分のボスが相変わらず元気いっぱいだった話は、先日のブログで書きましたが、今回は、そのボスのランチョンセミナーでの話に触れてみたいと思います。
ちなみにランチョンセミナーというのは、お弁当を食べながら、その分野の第一人者が最近のその分野の大まかな流れを話してくれることを清聴するセミナーです。
通常は、これまで確立された事象についての話が多いのですが、熊田先生は、一歩先ゆく話を、ランチョンで話してくれるので、いつも大人気です。
さて、C型肝炎というのは、痛くも痒くもないくせに、放っておくと、知らないうちに肝臓がんが出来てしまう危険性があるという、困った病気です。
で、そいつをやっつけようと、専門家たちが研究してきたわけです。
まず、1990年代前半にインターフェロン治療というものが、一般的に使われるようになってきました。
しかし、そのインターフェロンでは、効きにくいタイプでは、100人のうち、5人程度しか治らなかったのです。
その後、リバリビンという飲み薬を併用することによって治療効果が上がり、さらには、週3回は打たなければいけないインターフェロンを、週1回で同等以上の効果が発揮できるようになどの進歩がありました。
今回の学会では、この週一回のインターフェロン(ペグインターフェロンといいます)とリバビリンの併用で治らない人に対して、新たにもう一つウイルスの増殖を抑える飲み薬を併用するという治療が、いい成績を上げているという報告が出てきていました。(現在、発売前で、今年の秋に実際に保険治療で使える可能性があります)。
しかし、熊田先生は、その先をいく治療についても話してくれました。
それは、なんと、飲み薬2種類だけで、C型肝炎のウイルスをやっつけることが出来るという話です。
これまでインターフェロンやペグインターフェロンといった治療は、やはりそれ相応の副作用もありました。なので、誰でもすぐに治療というわけにはいかなかったのです。
それが、このペグインターフェロンとリバビリンの併用療法でも治らなかった人が、飲み薬2種類で治るというのです。
その、開発段階での成績を発表していましたが、かなりの好成績です。
まだ、いつ発売になるかは、わかりませんが、実用化されれば、C型肝炎の治療は、がらっと変わってしまうでしょうね。
ちょっと専門的な話を、なるべく噛み砕いで話してみたつもりですが、いかがでしょうか。
次回は、ちょっとB型肝炎についても話してみます。
そめクリの日常